想像以上にパワフルでダイナミック!【BMW X4 M40i】国内試乗

竹花寿実
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積極的に走らせたくなる

9月初旬に日本導入が発表されたニューBMW X4は、基本的には昨年デビューした新型X3とメカニズムの多くを共用したクーペSUV=「SAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)」である。

日本に導入されたのは、最高出力252ps/5200rpm、最大トルク350Nm/1450-4800rpmの2リッター直4ターボを搭載したxDrive30i(7,640,000円)と、そのxDrive30iにデザイン・ライン「M Sport」でスポーティネスを際立たせたxDrive 30i M Sport(8,140,000円)。そして、360ps/5500rpmと500Nm/1520-4800rpmを絞り出す3リッター直6ターボを積むM40i(9,770,000円)の3モデルとなっている。

ヨーロッパ市場向けには、184psの2リッター直4ターボを積んだxDrive20iやディーゼル・エンジン搭載モデルも用意されているが、日本市場は当面このラインアップで販売されるようだ。

新しいX4は、全長4760×全幅1920(M40iは1940mm)×全高1620mm(日本仕様の数値)で、先代から全長で約80mm、全幅は40mmほど大きくなった。フロントマスクは基本的にX3と同様のデザインだが、先代では2本のキャラクターラインが特徴的だったボディサイドは、上下2本のラインと力強く張り出した前後フェンダーが、SUVらしいパワフルな印象を演出。リアも滑らかなルーフラインから繋がるダックテール風のエンドと、水平方向の広がりを強調する面構成や細身のリアコンビランプが、スポーティネスを際立たせている。そのアピアランスからは、数値以上に大きく立派になったように感じられ、他社に先駆けてX6を世に送り出して以来、クーペSUVを作り続けてきたBMWのデザイン力には改めて感心させられる。

インテリアの質感も、先代から確実にレベルアップしている。かつてアメリカのスパータンバーグ工場で生産されていたBMWのXモデルは、質感や工作精度にやや難を抱えていたが、いまやドイツで生産される他のモデルと比べても遜色ないクオリティを手に入れているようだ。

今回、箱根ターンパイクを起点に試乗することができたのは、ガソリン仕様で最もパワフルなM40iだ。モデル名の通り、先代モデルにも設定された高性能版の「Mパフォーマンス・モデル」である。海外市場には新型X3に用意されている、最高出力326ps、最大トルク680Nmの3リッター直6ディーゼル・ターボを搭載した、もうひとつのMパフォーマンス・モデル、X4 M40dもラインアップされているが、日本仕様のX4ではスポーティなイメージをより訴求するべく、ディーゼル仕様を導入せずにガソリンのM40iがトップモデルに設定された。

2014年にデビューした初代X4から、BMWとしては異例に短いわずか4年でフルモデルチェンジを果たした今回の2代目X4は、新型X3と同様に新世代プラットフォーム「CLAR」を採用。基本骨格はほぼX3と共通で、ボディはキャビン形状が異なる程度。足回りの設計も共通となっている。

それだけに、ニューX4の乗り味はX3に非常に近い。6月にサウスカロライナ州スパータンバーグで米国仕様に試乗した際、開発陣に直接聞いたのだが、同じパワートレインを搭載しているモデルで比較すると、X4の足回りはX3よりも若干引き締められているが大きな違いはなく、重心高もX4の方がX3より数mm低い程度だという。

つまり走りの違いは、X3とX4を同時に用意して比べてみなければ感じられないくらい微妙なのだが、今回のM40iは、想像以上にパワフルでダイナミックな走りを味わわせてくれた。勾配が最大で10%にもなる箱根ターンパイクの上り坂でも、1870kgの車両重量など微塵も感じさせない軽快な加速を見せる。ドライブモードで「スポーツ」を選択すれば、8速スポーツATは低めのギアが選択され、エンジンはパフォーマンス最優先となり、日本国内の公道走行には完全に過剰なパフォーマンスを披露する。

スポーツ・モードでは、ステアリングの正確性も増す。21インチのランフラットタイヤを履いていた事もあり、ややハードな乗り心地となるが、実用に耐えないレベルではない。だが、実際に日常を供するなら、パワートレインやシャシーのセッティングを、走行状況に応じて自動的に最適制御してくれる「アダプティブ」に入れっぱなしでも十分。乗り心地は快適だし、スロットルペダルを少し深く踏み込むだけで、いつでも十二分にパワフルな加速を約束してくれる。しかも微低速域での扱いやすさも申し分ないのだから、素晴らしい出来映えである。

気になった点と言えば、エンジン始動直後のアイドリング時に排気音が少々大きい事くらいだが、これは都心部など住宅密集地で早朝や深夜にクルマを動かす場合には気を遣うポイントかもしれない。ごく短時間ではあるのだが、改善されれば喜ぶユーザーは多いだろう。

その他にも、最新世代のコネクティビティや多数の先進的なドライバー支援システムなど、見どころは多々ある。だがニューX4は、細かな機能を使いこなす以上に、自らステアリングを握って積極的にドライビングを楽しみたくなる、とてもBMWらしい走りを改めて感じさせてくれる上質なクーペSUVなのだ。

BMW X4 M40i
【Specification】■全長×全幅×全高=4760×1940×1620mm■ホイールベース=2865mm■車両重量=1870kg■エンジン種類/排気量=直6DOHC24V+ターボ/2997cc■最高出力=360ps(265kW)/5500rpm■最大トルク=500Nm/1520-4800rpm■トランスミッション=8速AT■サスペンション(F:R)=ストラット:5リンク■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク■タイヤサイズ(F:R)=245/40R21:275/35R21■車両本体価格=9,770,000円

フォト:望月浩彦 H.Mochizuki

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